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ペドロ・アルモドバル漬け週間。

2012/7/8(日)晴れ

7/1にペドロ・アルモドバル監督の「私が、生きる肌」(La piel que habito / THE SKIN ILIVE IN)を日比谷シャンテで観た。観ようと思ったきっかけは、ミルクマン斉藤のこの記事。巨大ディスプレイに映る女を見つめる男のスチルを見て、ただものじゃない気配がビンビン伝わってきたから(↓)。

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完全に自分の想像を超える映画だった。荒唐無稽な話だし、細かいところを突っ込みはじめたらキリがないが、この世界にハマれる人には夢のような2時間が待っている。僕にはこの監督の伝えたいことが分かりすぎて笑えるほどだった。

まず、主演のアントニオ・バンデラスがもうカッコ良すぎる。彼以外この役はあり得ない。

人工皮膚をまとって豪邸に幽閉されている、エレナ・アナヤの何と美しいこと。男なら彼女を見ているだけで幸せな気分になれる。部屋のインテリアや画面構成も完璧で、映画のテーマとは裏腹に最高にスタイリッシュなのがこの映画の真骨頂。というか、画面から漂ってくるこの色気の濃さは何なんだろう。気絶するほど美しい。

この映画に惹かれる理由の一つは、テーマが人間の皮膚であること。自分と他者、世界を隔てているのは一枚の皮膚だ。洋服はいわば皮膚のエクステンションに過ぎない。人工皮膚をつくるマッドサイエンティストの話をこれだけ面白い脚本にできる人が他にいるだろうか?

この映画のストーリーについて詳しく語る気はない。もしこれから観る可能性のある人は他人のレビューを一切読まないほうがいいと思う。もし読んだところでこの映画の面白さは伝わらないはずだから。

この映画を観た後、ツタヤでペドロ・アルモドバル監督の「オールアバウト・マイ・マザー」「トーク・トゥ・ハー」「ボルベール 帰郷」の3本を借りて観た。どれもまぁ、業の深すぎる映画ばかりだ。

中でも「トーク・トゥ・ハー」は今まで観たことのないテーマを扱った映画だった。ストーリーが完璧に説明されず、本当のところは分からないのがいい。果たして実際には何が起きたのか、観客が想像するしかない。アルモドバル監督の映画は今の時代の映画にしては珍しく真に詩的である。

他の映画も観てみたいが、とにかく「私が、生きる肌」は最高だ。最近こんなにドキドキしたことはなかった。もう一度劇場で観たい。

「トーク・トゥ・ハー」に収録されていた監督インタビューを観ると、彼はジーナ・ローランズが大好きだそうだ。確かに彼の映画はカサヴェテスに通じる泥臭さがある。映画は導かれて観るものだと思う。



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